その小さな百円均一で買ってもらったピンク色した手袋は
雑誌やら新聞紙やらダンボールを持ったり運んだりしたせいで
ほこりっぽくて、汚い、そして、指先や親指の付け根からほころびてしまった
荷台にある程度の廃棄物を積上げて、助手席に八を乗せて
二人はいってしまった。
残されて、まだまだある古新聞古雑誌、ダンボールをたたみ結わえる
けれど、八のようにうまくはいかず
+++++++++++++++++++
全部マダヲにあげちゃえばいいアルといったら、
マダヲにはもうあげた、といわれ、
私のほうが力があるからといえば、八は真選組にいってもらって
たぶん山崎君あたりが、まとめておいてくれた古新聞古雑誌を受けるか
きっと地味に、かたづけんるんだ、それに、あそこは
といいかけて、銀ちゃんはにやり笑う
どうせ、むさくるしい男のすくつネ、といえば
「巣窟ね、そうくつ」と訂正されあれだけの男所帯だから、
マニアックなものでもでてくるだろ、そういうの、若い青年には必要なんだよとか
いってそれをきいて、八がまたあかくなったけど、
銀ちゃんの瞳はそれだけじゃないなにかをはらんでいるのがありありと
言葉の言い回しから伝わって、いらいらする
手の内は読まれているのかもしれない。
神楽はふと思う。
銀ちゃんと一緒に住んでいて、なにかと行動やら事件を共にして
解決したり(解決しなかったり)いると、死んだ魚みたいな光のない瞳からも、
彼のゆがんだ感情やストレートな思いや
嫉妬や、愛情や、真心や、やさしさや悔しさはある程度
見分けがつく、
けれど、相手はどこまでウワベだけなのか
所詮ヒトの気持ちなんて、言葉にしないとわからないのだ
少なくとも、おんなのこは言葉を、求めている
たとえ、嫉妬深い内容だとしても。
「キタナイな」と
言い返せば、銀ちゃんは意味が通じたのだろう、
またひどく歪んだ笑みを浮かべた。
+++++++++++
結わえていたはずの雑誌が崩れ、散ばる。
また、やり直さなければと思い、雑誌をまとめれば
手袋に穴が開いて指先がでてしまっていた。
所詮百円だったのだ、けれど、ホコリまみれの掃除には
ちょうどいいのだ、
誕生日プレゼントだったのに、と愕然として、取った雑誌の特集は
大人の女が使うグローブ、バッグ、ブーツの特集で、
表紙の女は茶色の皮の手袋をしていた。
去年のクリスマス特集だ。
ペラペラとページをめくれば、パーティ会場で手袋を取り
バッグに入れようとしたモデルの写真。
はぁと自分の手元を見る
「じっと手をみる」
と声がかかり、振り向けば、沖田がいた
気配に気づかないくらい雑誌をみていたのだろうか
「ハァ?」
「働けども働けどもわが暮らし楽に成らざる、ですかぃ」
といいかけて、すばやく隠した雑誌を目ざとくみつけて
笑った
「なんでぃチャイナ、その雑誌」
雑誌やら新聞紙やらダンボールを持ったり運んだりしたせいで
ほこりっぽくて、汚い、そして、指先や親指の付け根からほころびてしまった
荷台にある程度の廃棄物を積上げて、助手席に八を乗せて
二人はいってしまった。
残されて、まだまだある古新聞古雑誌、ダンボールをたたみ結わえる
けれど、八のようにうまくはいかず
+++++++++++++++++++
全部マダヲにあげちゃえばいいアルといったら、
マダヲにはもうあげた、といわれ、
私のほうが力があるからといえば、八は真選組にいってもらって
たぶん山崎君あたりが、まとめておいてくれた古新聞古雑誌を受けるか
きっと地味に、かたづけんるんだ、それに、あそこは
といいかけて、銀ちゃんはにやり笑う
どうせ、むさくるしい男のすくつネ、といえば
「巣窟ね、そうくつ」と訂正されあれだけの男所帯だから、
マニアックなものでもでてくるだろ、そういうの、若い青年には必要なんだよとか
いってそれをきいて、八がまたあかくなったけど、
銀ちゃんの瞳はそれだけじゃないなにかをはらんでいるのがありありと
言葉の言い回しから伝わって、いらいらする
手の内は読まれているのかもしれない。
神楽はふと思う。
銀ちゃんと一緒に住んでいて、なにかと行動やら事件を共にして
解決したり(解決しなかったり)いると、死んだ魚みたいな光のない瞳からも、
彼のゆがんだ感情やストレートな思いや
嫉妬や、愛情や、真心や、やさしさや悔しさはある程度
見分けがつく、
けれど、相手はどこまでウワベだけなのか
所詮ヒトの気持ちなんて、言葉にしないとわからないのだ
少なくとも、おんなのこは言葉を、求めている
たとえ、嫉妬深い内容だとしても。
「キタナイな」と
言い返せば、銀ちゃんは意味が通じたのだろう、
またひどく歪んだ笑みを浮かべた。
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結わえていたはずの雑誌が崩れ、散ばる。
また、やり直さなければと思い、雑誌をまとめれば
手袋に穴が開いて指先がでてしまっていた。
所詮百円だったのだ、けれど、ホコリまみれの掃除には
ちょうどいいのだ、
誕生日プレゼントだったのに、と愕然として、取った雑誌の特集は
大人の女が使うグローブ、バッグ、ブーツの特集で、
表紙の女は茶色の皮の手袋をしていた。
去年のクリスマス特集だ。
ペラペラとページをめくれば、パーティ会場で手袋を取り
バッグに入れようとしたモデルの写真。
はぁと自分の手元を見る
「じっと手をみる」
と声がかかり、振り向けば、沖田がいた
気配に気づかないくらい雑誌をみていたのだろうか
「ハァ?」
「働けども働けどもわが暮らし楽に成らざる、ですかぃ」
といいかけて、すばやく隠した雑誌を目ざとくみつけて
笑った
「なんでぃチャイナ、その雑誌」
